2009年10月23日

酸素ハ足リテイルカ?

kingyo.jpg

2週間くらい前だったろうか。
隣町の縁日で金魚掬いに挑戦したムスコ、2匹捕獲して凱旋。
こんな顔は初めて見たというくらい得意気かつ、晴れ晴れとした顔だ。

が、嫁は少々困った顔をしていた。
嫁は昆虫と爬虫類以外の生き物には過剰に感情移入してしまうし
僕は行動の自由度が下がるのがいやなので、生き物は
飼わないという暗黙のルールが我が家にはあったのだ。

僕「なんで?」
嫁「掬えるはずはないと思ったのよ……」

うーむ。
けして敏捷とは言えない我がムスコ。
嫁がそう考えたとしても無理はない。
うーむ。

とはいえ、ムスコはこの上なく幸せそうだ。
ビニール袋に入っている2匹の金魚を飽きもせずに眺めている。

どれどれ、とよく見ると。
1匹はかなり弱っている様子。
これはマズイぞ。

嫁「わたし、ちょっと●●スーパー行ってくるわ。
  金魚飼育セットみたいのが売ってた気がするのよね」

サッと自転車に乗って出かけて行った嫁。
生き物がからむと行動が早い。
ほどなく飼育セットを買って帰ってきた。
水槽、カルキ抜き、濾過器、エサ、飼い方本のセットだ。

本を参考に、もしものことがあってはいけないと
計量カップまで持ち出して計りながら金魚環境を作る嫁とムスコ。

ムスコが「ドスとファンゴ」と命名した。
(ゲームに登場するモンスター名から)

翌日からムスコ、起きるとすぐに水槽を覗いて声をかけて
エサをやる。
僕は「エサはやりすぎちゃダメだぞ」と注意せずにはいられない。

そしてGoogleで弱った金魚を延命する方法を探す。
特に病気ではないようだった。
ネット上の有識者の記述を見ると縁日の金魚には
あきらめムードが漂っている。
が、あきらめたらそこで試合が終わってしまうので
弱っているファンゴの方を別の水槽(というかガラスの花瓶)に
移して食塩浴を試してみる。

効果はわからなかった。
我が家に来て3日目にファンゴは死んだ。

学校から帰ってきてムスコは泣いた。
泣きながら公文へ行った。
30分ほどして先生から電話が来る。
「ムスコさん、泣きながら問題を解いてるんですけど
 大丈夫でしょうか?」
「はぁ…」
結局ちゃんと問題をやり終えて帰ってきた。
嫁が手伝ってファンゴをベランダの土しか入っていない
プランターに埋めた。

この月曜日、元気だったはずのドスも死んでしまった。
原因はまったくわからない。
我々の側にミスがあったのだろう。

学級閉鎖で月〜火と休みだったムスコは時折水槽を
覗いては寂しそうな顔をしていた。

嫁「新しい金魚飼いましょうか」
僕「ダメ」

今回の件ではムスコだけじゃなくて嫁も、そして僕も
ダメージを受けているのだ。
死んでしまったのか死なせてしまったのかわからないが
こんな気持ちにはもうなりたくない。

水曜日。
夕方、僕は仕事を終えて渋谷にいた。
楽器屋巡りでもしましょうかね、と思っていると
電話がなった。ムスコからだった。

「パパ……」
「なんだ」
「あのね、ぼくね…」
「な、なんだ、泣いてるのか?」
「うぐぐぐ」
「金魚か?」
「うんぐぐぐ、あのね、ぼくね、ピアノがね、びえっ」

泣いていてよくわからなかったが、話を総合すると
「ピアノの練習をちゃんとするから金魚を買って欲しい」という
ことだった。

うーむ。

「ママに電話かわって」
「ママはね、えぐっ、ピーコ(ック)行ってるの」
「そ、そうか」

あとで電話するからととりあえず切る。
渋谷駅の公衆トイレの前の喫煙所で驚いている僕。
1 ムスコが電話をかけられるなんて知らなかった。
2 ●●したら■■を買ってあげるという方法は
  今のところ使ったことがなかった。

買い物先の嫁に電話して事の次第を説明した。
「パパがダメって言ってるからダメだとは言ったけど
 ピアノどうこうは私じゃないわよ」とのこと。

うーむ。

20分後、何の結論もないままに僕は東急ハンズにいた。
いや、この時点で結論は出ていたのだろう。
渋谷で金魚が買えそうなところはそこしか思いつかなかったのだ。

コーナーはあったが熱帯魚ばかりで金魚は一種類しか売ってなかった。
そいつら見ているうちに、普段はMETAL者として封印してある
僕の恥ずかしい部分に火がついてしまった。
METAL者は「カッコいい」と「美しい」以外に反応してはいけない。

「う…かわいい」

もう一度嫁に電話する。

「金魚、買おうかな」
「うん、いいんじゃない」
「でもねえ、知ってると思うけど、僕、ハマルよ。
 水槽も新しいの買うし、飼育用具や装置も
 あれこれ買っちゃうよ。そのうち熱帯魚にも
 手を出すよ」
「想像がつくわね」

さらにムスコに電話する。

「金魚なあ」
「飼ってもいいの!?」
「どんなのがいいんだ?」
「元気なのがいいよ」

というわけでちっこいピンポンパールを2匹買って帰った。
ダダリオの弦くらいの値段だった。

目の周りが黒い奴が嫁によってメグロと名付けられ、もう一匹は
必然的にユウキになった。

嫁は駅の側に昔からやっているらしい熱帯魚/金魚系の
ペットショップがあるという情報を仕入れてきていた。

ムスコ、3歳まで使っていた敷き布団を引っ張り出して
リビングの水槽の前で寝ている。
アホである。
布団がもう小さく、膝から下がはみ出している。

僕が知る限り、こいつは今日は一度もピアノに触れていない。

僕はと言えば、ネットで濾過器だのヒーターだの
水草だのを見てウットリしているのだ。

METALの神様、僕は金魚飼います。
見捨てないでください。
posted by bakune at 03:20| Comment(13) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
朝から不覚にも笑ってしまった・・・・


METALの神様
次に犬が来ても見捨てないで下さい!!
Posted by Wolfey at 2009年10月23日 05:41
メグロ・・・ユウキ・・・。メタルの神様、アリですかw?
Posted by s_t at 2009年10月23日 08:01
そのうち、昼でも暗いところ好むヤツとかいろいろ凝ると深いですよね。
会社に獣医学部卒の営業部長がいて趣味が熱帯魚の繁殖という人がいます。
僕も来年の夏までにアクアリウムの勉強したいと思ってた矢先です〜
Posted by ダテロク at 2009年10月23日 08:56
良かったね〜ムスコ君!
bakune家に新しい家族ですね。

うちも引っ越したら熱帯魚と文鳥を飼おうか、と思いましたが、うちには猫がいました(笑)
Posted by 塗料屋 at 2009年10月23日 11:12
毎度、読み応えのある日記をありがとです〜
家族の風景が映画のように見えて来ます。
・・・仕事が一段落すると長めの日記になるようですね?(笑)
Posted by T。 at 2009年10月23日 11:30
小さい頃、飼っていたひよこを死なしてしまって以来、ペットって死ぬのが怖くて飼えません。
さらに「死」に対して、年々恐怖心が増してます。
なんかどんどん「へたれ」になってきます。

>METAL者は「カッコいい」と「美しい」以外に反応してはいけない。

よ〜くわかります。
でも、たまに一人で映画見て号泣してます。(笑)
週末に「ANVIL」見てきます。

あっ、それ以外に「おもしろい」もあってよいかと・・・。

http://www.youtube.com/watch?v=k5RDdxX18r4
Posted by ZONE at 2009年10月23日 11:32
■Wolfeyさん
犬の方がまだMETAL的ではありますが…

うちはペット可マンションなのですが結構軋轢があるようで、そこに参戦したくはありません(笑)

■s_tさん
メグロ・ユウキ。
カタカナで書くとスピードメタルバンドの
ボーカリストっぽいじゃないですか(笑)

Posted by bakune at 2009年10月23日 14:22
■ダテロクさん
僕の最終目標はタツノオトシゴです!

■塗料屋さん
おお…猫はやりますね。きっとやります。
魚や鳥を見ると野生が目覚めるようで。

■T。さん
今回は長すぎました……
ポイントを絞れないという業務と同じ
問題が見え隠れ(苦笑)
Posted by bakune at 2009年10月23日 14:26
■ZONEさん
死への恐怖を歌うMETALはありだと思います!

「おもしろい」は他人の前では、ふん、くだらんと鼻で笑い、自宅で大笑いです。
Posted by bakune at 2009年10月23日 14:28
>目の周りが黒い奴が嫁によってメグロと名付けられ、もう一匹は
必然的にユウキになった。

命というテーマか…重いなぁ……と感じながら読み進めていましたが、一気に肩の力が抜けました。ありがとう!(何でやねん)

我が家には数個の水槽だけ残っています。
また魚飼いたいなぁ。
あ…ウチにもネコが居る。
Posted by か at 2009年10月23日 16:18
■か さん
水槽の前に行くとエサくれーって寄ってくるんですよね。もう、かわいいったら、そりゃもう。

僕は早速ネットの情報の海に溺れそうです……

Posted by bakune at 2009年10月23日 17:24
我が家には夜店で掬った金魚が2匹、15,6年(もっとかも)生きてます。なぁ〜〜んもしてません。酸素もヒータも勿論無し。水替えもちっちゃな瓶に金魚移して、じゃ〜〜と水槽を洗って、そのまま戻します。実家に帰るときに留守しますがエサも1週間やらなくても生きてます。ポイントは”水”です。野呂の湧き水ミネラルたっぷり長寿の水です。
金魚手間なく飼うなら野呂山に別荘を建てることをお勧めすます。(笑)
Posted by koro83018 at 2009年10月24日 08:24
■koroさん
いやー、そうなんですよね。
子供の頃買っていた金魚は何もしなくても札幌市の水道水で僕が中学生になるくらいまで生きてました。
その記憶があるので久しぶりにあれこれ調べたら大変なことになっていて……

でも、その大変さを楽しむのが現代金魚飼育の醍醐味かもしれません(笑)
Posted by bakune at 2009年10月24日 15:41
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