2008年12月25日

拝一刀

近くに空き地があった。
国の所有地だった。
坪数はわからんが、かなり広い。
ある日これが2億円で売りに出された。
なんだか知らんが、すぐに売れたらしく工事が始まった。
ほどなく半地下+2階建ての家が6棟建った。
値段は1億3千万円。
頭金を3千万円用意したとしても
いちおくえんのローンを組まねばならない。
いちおくえん借りられるってのは
いったいどんだけの甲斐性なんだろうか。

家自体は凝った作りの、おしゃれっぽい建物だ。
(個人的には好きじゃないけど)
売りに出されたのは確か昨年の秋くらい。

すぐに道路に面した一軒が売れて
住人が越して来た。
声を潜めて言うが、新築の一億円以上する物件だ。
しかし、家の前の駐車場には、ぶつかって
ボコボコになった10年落ちと思われる
日産が停められ、大人用2台、子供用2台の自転車は
サビサビでサドルもはがれてスポンジが飛び出していたり
それはもしかしたら物持ちがいいという美点かも
しれないが、家の前に置かれた植木の数々が
悲しく枯れ果てており、まったく世話がされていない。
引っ越しで出たゴミも玄関横に数週間放置されていた。
段ボールなんかは雨でとろけていた。
トドメは犬のいない犬小屋。

どんな生活をしようが、人それぞれ。
ま、200歩譲って良しとしましょう。

※一応補足すると、どんな事情があるにせよ
 一億円の家に住む人は、一億円の家に住む人らしい
 車に乗って欲しいと思うのである。
 ようは、様式美を追求して欲しいのだ。

 逆にオンボロアパートに住みながらも車は
 フェラーリとかだと、それはそれで好きな世界観だ。

この物件に興味を持って見学に来た人たちは、
この、何のコダワリも感じられない上に
周囲への配慮のカケラもない玄関先の光景を
見るわけである。
道路に一番近い物件だから、見ないわけにいかない。
将来の隣人だと思うと気になるだろうな。

やがて不動産屋は考えた。
道路からこの家を見えにくくするために
見学者が多く訪れる土日には
紅白の幕を張ったのだ。

売り出しから1年以上が過ぎた。
売れたのは6棟のうち2棟。
二家族目が越して来たときには1億円くらいに下がっていた。
夏くらいからは7千万円(値引きします!)で売られている。

毎週土日には不動産屋の小さな机と椅子が置かれ、
やたらとペッペとツバを吐くやる気の無さそうな
お兄ちゃんがいる。

そしてこれが最大のミステリーなんだけど
最初の一軒の家族はつい最近引っ越して
しまったらしい。

あれは刺客だったのではないだろうか。
posted by bakune at 07:28| Comment(11) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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