
ムスコが自転車を欲しいと言い出したのは5月のはじめだったか。
4歳くらいの時から周囲の情報が入り始めて、たまに話題に
なってはいたが、きちんと考えたことがなかった。
「6月なったらね」と適当に流しておいたのを彼は覚えていた。
6月に入ってからうるさいうるさい。
嫁が言う。
「一緒に買いに行って、そのまま乗って帰ってきたら?
この人、ちゃんと乗れるから」
僕「乗れるの?」
ム「うん、●●ちゃんの自転車で練習したよ」
僕「……(不安)」
近所に2軒自転車屋があるが、子供用はカタログで選んで
取り寄せになると嫁情報。
ネットで自転車屋を調べる。
子供用の自転車の在庫豊富なところを探す。
地図を見るとうちから自転車で15分くらいのところにあるようだ。
おし、行くか。
実際には店まで30分近くかかった。
電動アシスト付き自転車で30分。道中の起伏が凄い。
帰路、大丈夫か、これは。
自転車屋さんの的確なアドバイスと、ムスコのよくわからない
コダワリ(カゴが無いのがいい)を聞きながら選んで調整してもらう。
店の駐車場で颯爽と得意気に跨るムスコ。
補助輪が力強く彼を支えている。
さあ、走り出せ、ムスコよ。
のたーぁ。くたーぁ。
のたーぁ。くたーぁ。
の、乗れてません。
それ、乗れるっていいません。
5分ほど練習。
力を込める方向が定まらず、すぐに足がペダルから落ちる。
それでも帰らねばならぬ。思い切って道路へ出る。
で、この道路ってのが環状8号線なのである。
片側3車線。合わせて6車線の幹線道路。
羽田あたりと埼玉方面を結んでいる。
幾つかの高速道路も乗り入れているので
まあ、ようするに車の通りは非常に多い。
(もちろん歩道を走るわけだが)
さて、帰宅するにはこの道路を渡らねばならぬ。
自動車優先エリア。歩道橋は多いが信号は少ない。
早い内に渡らねば、次はいつ渡れるかわからない。
(このあたりは初めて来ている)
信号が青になり父と子は渡り始める。
のたーぁ。くたーぁ。
のたーぁ。くたーぁ。
半分ほど渡ったところで信号点滅。早いっ!
信号にはうるさいムスコ、若干パニック。
「パパ、動かないよ!」
見ると、ただでさえ会得していない上に焦っているので
足がペダルから落ちまくる。
ここで判断を誤った僕。
僕「待ってろ!」
3車線分渡って自分の自転車を歩道に置く。
急いでムスコのことろへ戻ろうとするが、ムスコは
自転車を降りて押し始めた。
これは冷静な判断だったかもしれないが方法がまずかった。
サドルを押している。
ハンドルを抑えていないので進路がずれる。
自転車は恐ろしい勢いで信号待ちの車列へ。
走れ、俺。暴走自転車を止めろ。
なんとかギリギリ間に合った僕。
こんなにダッシュしたのは何年ぶりだろう。
自転車を置いてムスコを先に保護すべきだった。
落ち込む。凹む。
結局嫁に電話して車で迎えに来てもらうことに。
少し時間がかかるというので近くのファミレスで待つことにする。
ファミレスまでは200メートルくらいだろうか。
のたーぁ。くたーぁ。
のたーぁ。くたーぁ。
僕「さっきなあ、パパが先に行っちゃって
悪かったな」
ムスコ「うん、ぼく、遅いからねえ」
僕「すぐに速くなるよ」
ムスコ「パパより速い?」
ああ、もう、なんでもかんでも僕よりできるように
なってくれ。
応援も協力もするから。
などと、近年にない反省レベルの中で思った。
ムスコよ。
最近買ったディストーションと君の自転車の値段は同じだった。
スマン。本当にスマン。
優先順位を間違ってばかりだ。
※画像は2日目。かなり上達している。
本人は自信を持ち始め、こっちはその自信が不安になる。
ブレーキブレーキとうるさいボクは嫌われる。
posted by bakune at 04:58|
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